家庭・地域とともに学ぶ「防災」
家庭・地域とともに学ぶ「防災」
豊川市立桜木小学校教頭 中 嶋 桂
巨大地震を想定した備えが求められる今、本校は、家庭・地域と連携して防災学習の充実をめざしています。
毎年、5月の学校公開日には、親子で一緒に登校して、通学班ごとに話し合いを行います。通学路の危険箇所を確認するとともに、お互いの顔と名前を知る機会となっています。また、この日は、大鍋を囲んで炊き出しを体験する「ハソリ交歓会」も恒例行事です。各家庭から持ち寄った食材を、おやじの会のメンバーが煮物にして振る舞います。日頃お世話になっている学校ボランティアの方々や校区に住む一人暮らしの高齢者を招待して、6年生が接待役を務めます。親子で会話が弾み、地域の方とふれ合って、校庭に笑顔があふれるひとときです。
10月には、校区防災訓練までの一週間を防災学習週間と位置付けて、学習プログラムを組んでいます。昨年度は、地震に関する出前授業と講演会を実施しました。身の守り方を学んだ子どもたちの感想には、「このことを家の人にも伝えたい」「災害が起きてからどうするとよいかも分かった」「自分も人の役に立つ手伝いをしたい」といった言葉がありました。さらに、週末には「避難所体験の会」を行いました。これも、おやじの会とPTAのタイアップによる恒例行事となっています。起震車体験、災害救助用炊飯袋を使った夕食づくり、AED講習、被災地の体験談などに未就学児から大人までが一緒に参加し、体育館に一泊します。「備蓄食をまずいと言った子どもたちに、本当に地震が来たらそんなこと言っていられないんだよ、と教えられるよい機会になりました」といった保護者の声がありました。回を重ねるたびに、進んでボランティアに手を挙げたり、「何か手伝うことはありますか」と尋ねたりする子どもの姿が見られるようになり、大人に混じって校区防災訓練に参加する小学生も増えてきました。
今後も、PTA、おやじの会、自治会等と連携し、より多くの人を巻き込んだ防災学習を通して、「命を守り、支え合う」子どもを育てていきたいと思います。